スマートフォンの保護ケースなどに使われる”TPU素材”
TPU素材について解説します。
TPU
スマートフォンなどのケースで、原材料に「TPU(ティ・ピー・ユー)」というものが含まれています。このTPUとはどのようなものなのでしょうか。
TPUとは、Thermoplastic polyurethane(熱可塑性ポリウレタン)のことです。TPUエラストマーとも呼ばれます。
エラストマー(Elastomer)とは、TPUのようにゴム弾性がある工業用材料の総称のことを言います。
熱可塑性ポリウレタン
ゴムのような弾力・柔軟性があり、硬質プラスチックのように衝撃強度が高い高分子化合物です。
柔軟性に優れており、スマートフォンを包み込むように、ぴったりと装着することができます。また、衝撃強度が強いため、衝撃を吸収し保護してくれます。
スマートフォンなどの保護ケースの素材としては、熱可塑性ポリウレタンは向いている素材であると言えます。
熱可塑性ポリウレタンは、弾力・柔軟性や衝撃強度が高いだけではなく、耐摩耗性にも優れています。
屋外で使用する場合に変形、変色、劣化の変質を起こしにくい耐侯性、耐オゾン性もあります。
他にも、消音や防振といった効果もあります。
TPUには、2つの系統がある
TPUには、2つの系統が存在します。化学結合の種類によって違いがあり、1つはポリエステル系TPU、もう1つはポリエーテル系TPUと呼ばれます。これらは似ていますが微妙に性質が異なります。
熱に弱いのは同じですが、ポリエステル系TPUは100度弱、ポリエーテル系TPUは70度ほどまでの耐熱性があります。
ポリエーテル系TPUは、菌や微生物に対して強い耐性をしめし、また比較的耐酸性、耐アルカリ性もあります。
ポリエステル系TPUは、高温多湿状態に長時間さらされるなど微生物の働きが激しくなった場合、微生物が出す酵素により分解されます。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/keyword/20110726_463087.html
ポリエステル系TPU、ポリエーテル系TPUであっても、耐熱性ではなく、熱には弱いというデメリットがあります。
高温多湿状態になると、ポリエステル系TPUは、微生物の活動により、分解されてしまいます。
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